スワップ
スワップとは、FX(外国為替証拠金取引)やCFD取引においてポジションを翌営業日に持ち越す際に発生する、2通貨間の金利差に基づいた調整額のことです。
定義のまとめ
スワップは「オーバーナイト金利」または「スワップポイント」とも呼ばれ、売買する通貨ペアの2カ国間の政策金利差から算出されます。高金利通貨を買い・低金利通貨を売っている場合はスワップを「受け取り」、逆の場合は「支払い」が生じます。スワップは毎営業日のロールオーバー時刻(多くのブローカーでは日本時間の翌朝6〜7時ごろ)に自動計上されます。
詳しい解説
スワップが生まれる背景
FX取引は実際には「2つの通貨を同時に売買する」行為です。たとえば USD/JPY を買う場合、米ドルを買い・日本円を売ることになります。現実の外国為替市場では通貨の受け渡しは「取引日の2営業日後(T+2)」に行われます。トレーダーがポジションをその日のうちに決済せず翌日に持ち越す場合、ブローカーはバックグラウンドで「今日の決済をキャンセルして翌営業日に繰り延べる」作業(ロールオーバー)を行います。この繰り延べ処理の際に、2通貨の金利差を精算する仕組みがスワップです。
金利差とスワップの関係
スワップの方向と金額は、2通貨の政策金利の差によって決まります。たとえば米国の政策金利が5.25%、日本の政策金利が0.10%だとします。この場合、金利差は約5.15%です。USD/JPY を買い(ロング)でポジションを持ち越す場合、高金利通貨(米ドル)を「保有」する形になるため、金利差の恩恵を受けるスワップポイントを受け取る方向に働きます。逆に USD/JPY を売り(ショート)で持ち越す場合は、低金利通貨(円)を「保有」し高金利通貨を「借りる」形になるため、スワップを支払う方向になります。
スワップの計算方法(基本式)
スワップの計算式はブローカーによって若干異なりますが、一般的な考え方は以下のとおりです。
スワップ額(円) = ポジションサイズ(通貨) × スワップレート(pips/日) × 円換算レート
多くのブローカーはスワップをpips単位または通貨単位で公表しています。例えばあるブローカーが USD/JPY ロングのスワップを「+0.5円/1ロット(10万通貨)」と設定しているとすれば、1ロット保有で1日あたり50円の受け取りとなります。
三日分のスワップが適用される「水曜ロールオーバー」
FX市場は土日が休場です。そのため、水曜日の夜のロールオーバー時には通常の3倍のスワップが計上されます(水曜・土曜・日曜の3日分をまとめて処理するため)。これを「トリプルスワップ」や「水曜ロールオーバー」と呼びます。週をまたいでポジションを保有するトレーダーはこの点に注意が必要です。
具体的な計算例
シナリオ:USD/JPY ロングポジションを5日間保有
- ポジションサイズ:2ロット(20万通貨)
- ブローカー設定スワップ:+0.8円 / 1万通貨 / 1日
- 月曜の夜から金曜の夜まで(実質5回のロールオーバー、うち水曜は3倍)
| 曜日 | スワップ倍率 | 1万通貨あたり | 20万通貨(2ロット)合計 |
|---|---|---|---|
| 月曜夜 | 1倍 | +0.8円 | +160円 |
| 火曜夜 | 1倍 | +0.8円 | +160円 |
| 水曜夜 | 3倍 | +2.4円 | +480円 |
| 木曜夜 | 1倍 | +0.8円 | +160円 |
| 金曜夜 | 1倍 | +0.8円 | +160円 |
| 合計 | — | — | +1,120円 |
この例ではスワップ受け取りのため、ポジションを保有し続けることで追加収入が得られます。一方、売りポジションであれば同額の支払いが発生し、コストとなります。
トレーダーにとっての重要性
スワップは短期トレーダーにはほとんど影響しませんが、ポジションを数日・数週間・数カ月単位で保有するスイングトレーダーや**長期保有(キャリートレード)**を行うトレーダーにとっては損益を大きく左右する要素です。
スワップが有利な方向に働く場合(受け取りスワップ)、相場が横ばいでも利益が積み上がる「キャリートレード」が成立します。反対にスワップを継続して支払う状況では、相場が思惑方向に動いても利益がスワップコストに食われる可能性があります。
また、スプレッドコストやコミッションと同様に、スワップは取引の総コスト計算に含めて考える必要があります。長期保有を検討する際は、スプレッドコストとあわせてスワップの累積額を試算することが、取引計画の精度を高めます。
よくある誤解
誤解①「スワップは常に支払いが発生する」
事実: スワップは支払いだけでなく、受け取りが発生するケースもあります。高金利通貨を買い・低金利通貨を売るポジション(例:USD/JPY ロング)では、スワップを受け取ることができます。受け取りか支払いかは、ポジションの方向と2通貨の金利差によって決まります。
誤解②「スワップレートは固定である」
事実: スワップレートは各国の中央銀行が設定する政策金利の変更にともなって変動します。また、ブローカーは市場の流動性や自社のコスト構造を反映して独自のスワップレートを設定するため、同じ通貨ペアでもブローカーによって数値が異なります。取引前にブローカーの公式スワップ一覧を確認することが重要です。
誤解③「スワップはデイトレードには関係ない」
事実: 基本的には正しいですが、ロールオーバー時刻(多くのブローカーでは夏時間:日本時間午前6時、冬時間:午前7時)をまたいでポジションが残っている場合はスワップが発生します。意図せずポジションを持ち越した場合でも適用されるため、注文管理の際にロールオーバー時刻を把握しておく必要があります。
関連用語
スワップを正確に理解するためには、以下の関連用語と合わせて学ぶことをお勧めします。
- ロールオーバー:ポジションを翌営業日に持ち越す仕組み。スワップが発生するトリガーとなります。
- コミッション:取引ごとに発生する手数料。スワップとは別のコスト要素です。
- スプレッドコスト:買値と売値の差から生じるコスト。スワップとともに総取引コストを構成します。
XMにおけるスワップの取り扱い
XM(XM Trading)は、公式ウェブサイト上で通貨ペアごとのスワップレートを一覧表示しており、ロング・ショートそれぞれのスワップ値を確認することができます。また、XMではイスラム教の教義に基づく金利の支払い・受け取りを禁止した「イスラム口座(スワップフリー口座)」を提供しており、一定の条件を満たす顧客は申請により利用可能です。スワップフリー口座では代替手数料が適用される場合があります。最新のスワップレートおよび口座条件については、XM公式サイト(xm.com)の最新情報をご確認ください。なお、本記載はXMの利用を推奨するものではありません。
免責事項
⚠️ 本グロッサリーエントリーは教育目的のみを目的として作成されています。FX・CFD取引は高いリスクを伴い、投資元本の全部または一部を失う可能性があります。本記事は投資助言・勧誘を目的としたものではありません。取引を行う前に、ブローカーの公式サイトで最新のスワップレートおよび取引条件を必ずご確認ください。
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